巨人菅野智之投手(30)が「開幕投手からの12連勝」をかけて先発する。

クリアすれば、04年の近鉄岩隈久志と並ぶ開幕からの連勝プロ野球記録となる。

球界再編問題の真っただ中に成し遂げた白星の積み上げを、当時の記事で振り返る。(所属、年齢など当時)

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<日本ハム4-7近鉄>◇04年7月6日◇札幌ドーム

近鉄岩隈久志投手(23)が99年篠原(ダイエー)以来、史上7人目の開幕12連勝を達成した。7回までは3安打無失点に抑えていたが、8回はセギノールに2ランを浴びるなど、今季ワーストタイの1イニング4失点。今季初めてイニング途中で降板する屈辱も味わった。それでも連勝を伸ばし、合併問題に揺れるチームに明るい話題をもたらした。

岩隈が負けない。合併問題の喧騒(けんそう)の中で、開幕からの連勝を、99年篠原(ダイエー)以来の「12」に伸ばした。

チームを残して欲しいというナインの思いをよそに、合併への手続きが着々と進んでいる。ライブドアが買収計画を発表した6月30日、岩隈も「買ってくれと思いました。うれしかった」と感情をあらわにした。しかし、球界の激流は止まらない。そんな流れにきゃしゃな体で抵抗するように、岩隈は投げ続けた。

0-0の3回、闘志をむき出しにしてピンチをしのいだ。2死から小笠原に右中間二塁打を浴びたが、セギノールを133キロフォークで空振り三振に斬った。その前の2球は147キロ、148キロの直球。いずれもボールになったが、制球重視の今季にあって際立つ数字だった。

そのせいか「最後はバテましたね。早く終わらせたいなと気持ちも焦った」と苦笑い。7回2/3を4失点と今季初めてイニング途中でマウンドを降りたが、前半戦無敗には変わりない。「すごいことですね。うれしいしビックリしています」と胸を張った。対日本ハムは昨年から10連勝。「強力打線なんで自信になっています」と涼しい笑顔を見せた。

梨田監督も「アイツにしては不本意な代えられ方かもしれないけど、立派なもんやね」と絶賛した。試合前「僕は見ざる言わざる聞かざる」と合併問題に“耳栓”をした指揮官も満面の笑み。チームは勢いに乗って、七夕の今日7日、今季初の4連勝に挑戦する。【浜田司】