ヤクルト坂口智隆外野手が現役野手で最後の近鉄戦士として通算1500安打を達成した。

4回無死一、二塁、阪神先発ガンケルから先制左前打を放った。女性スタッフが記念ボードを間違えて二塁走者に持って行きかけるハプニングに、思わず笑みがこぼれた。イニング間には、平日ナイターに敵地まで駆けつけたヤクルトファンに頭を下げ「チームのためになんとかこの打席をしたいという思いで立っている。すべてのヒットが、自分の財産です」と話した。

初安打を放ったのは近鉄でのプロ1年目の03年、初打席。その年に15勝を挙げたのが「偉大な尊敬できる先輩」というエース岩隈だった。残る近鉄戦士は、ヤクルト近藤と2人だけ。「1日でも長く結果を出し続けるということが、自分自身のスタートを作ってくれた近鉄への恩返しになるのかな」。まだまだ通過点だ。

◆坂口智隆(さかぐち・ともたか)1984年(昭59)7月7日、兵庫県生まれ。神戸国際大付2年のセンバツに投手で出場。02年ドラフト1巡目で近鉄入団。近鉄消滅後の05~15年はオリックスでプレーし、15年オフに自由契約となりヤクルト移籍。11年最多安打、08~11年ゴールデングラブ賞。181センチ、82キロ。右投げ左打ち。