正真正銘のサヨナラ打だった。西武山野辺翔内野手が9回2死一、二塁で右前適時打を決め、2試合連続サヨナラ勝利を呼び込んだ。

前夜は、同じ9回裏の得点圏で打ち上げたフライに相手守備陣が交錯しサヨナラエラーを誘った。この試合では、本塁でのクロスプレーにロッテからリクエストが出たがくつがえらず、「昨日とはまったく感情が違うお立ち台ですけど、ああいう場面で引き続き打席に立たせてもらい、そこで打ててよかった」。前夜とは打って変わって素直に喜んだ。

2年目の終盤に入り、存在感を増してきた。社会人出身のドラフト3位で、即戦力の二塁手と期待されたが、定位置獲得は遠かった。キャンプでは、春も秋も3季連続で辻監督から特守で徹底指導を受けてきた。前日の試合前、「一日一善」との言葉を受け、見事に実行。同監督は「試合でうまくなるということもあるからね。この緊張の中でプレーすることが、これからの成長につながっていく」と目尻を下げた。

チームはこれで82日ぶりに勝率5割に復帰し、単独3位とした。2位ロッテとは4ゲーム差。辻監督は「4ゲームは大変なことよ。大変だけど、明日勝つことでチャンスが出てくる。選手もその気になって一緒に戦っていけば面白い結果になる」。逆転の雰囲気がチームから漂ってきた。【栗田成芳】

▽西武外崎(サヨナラ走者として生還。タッチプレーにリクエストも覆らず)「手が先に入ったと分かっていたので、セーフだと確信していました」