巨人は23日、東京ドームで開催する11月7、8日のヤクルト戦で、来場者の上限を従来の1万9000人から3万4000人に引き上げ、新型コロナウイルス感染対策と来場者のプライバシー保護を両立させるための新技術を試験的に導入すると発表した。

9月21日から収容人数(4万3000人)の45%で継続してきた観衆の上限を80%にアップ。マスク着用や飲酒禁止、手拍子を中心にした声を出さない新しい応援スタイルなどの感染対策は引き続き行う。

新技術では、場内102カ所のカメラ映像の中で、動いている人と止まっている人を色の異なるアイコンで表示することが可能。場内各所の混雑具合を把握し、滞留者が多いエリアの対策に活用できる。

また、スマートフォンのWi-Fi(ワイファイ)電波を場内100カ所のビーコン(受信機)で感知し、来場者の動きを数値化する。エリア別、時間別の混雑状況を可視化するとともに、電波データを事後的に分析することで、入場前や退場後に球場周辺で混雑する繁華街や商店街などを把握し、感染対策につなげることも可能になる。

取得したデータは、政府や東京都、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会などとも共有。東京五輪での屋内アリーナ競技における来場者の人数制限や感染対策、競技場周辺の混雑緩和などに役立てる狙いがある。

プロ野球では、DeNAが東京五輪で使用する横浜スタジアムで30日~11月1日まで観客の上限を80%に引き上げるテストを行う予定。さまざまなデータを共有していくことになる。