中大は、日本ハムから2位指名を受けた五十幡亮汰外野手(4年=佐野日大)、DeNAに2位で指名された牧秀悟主将(4年=松本第一)のドラフトコンビの活躍で勝利した。

1点ビハインドで迎えた1回裏、1死から五十幡が右前打で出塁すると、次打者の2球目で二塁へ盗塁。さらに二ゴロの間に三塁へ。続く牧が適時右前打を放ち同点に追い付いた。

6回には牧が「打った瞬間、入ったと思った」とインコース低めのカットを捉えてレフトスタンドへ大学通算5本目となる同点のソロ本塁打。主将の一打に打線が一気に活気づき、7回に倉石匠己外野手(4年=東海大市原望洋)の3ラン本塁打を含む5点を挙げ試合を決めた。

2安打2打点の活躍の牧は「前日は同じチャンスで打てなかった。今日は何としても得点したかった。今リーグ戦は、単打ばかりだったので。ああいうバッティングをしなくてはいけませんね」と主将としての意地を見せた。

26日にドラフトで指名されても、すぐに気持ちはリーグ戦へと切り替えていた。前日の試合では無安打でチームも敗戦。チームは昨秋に続く優勝の望みが消えた。夜、牧は清水達也監督(56)に「勝ちたい。1番にこだわりたい」と胸の内を明かしていた。牧、五十幡がチームをリードし、勝利へ。「上級生として、ラスト2試合を全力で戦いたい」。牧は表情を引き締めた。

この試合を、牧の交渉権を獲得したDeNAのスカウト7人が観戦。河原スカウト部ディレクターは「左に右にと打つ。いいですね」と笑顔を見せた。指名球団の前で見せた実力。牧は「プロに向けて、いい弾みになったかと思います」と大きくうなずいた。

▽国学院大・鳥山泰孝監督「牧君、五十幡君の2人に仕事をさせてしまっては勝機を逸してしまう。五十幡君は類を見ない脚力。彼の盗塁は刺せない。牧君には物の見事に捉えられた」