ソフトバンク内川聖一内野手(38)が退団し、来季は他球団で現役続行を目指すことが28日、明らかになった。今季はプロ20年目で初の開幕2軍スタート。1度も1軍に上がることなく、チームのリーグ優勝が決まった。来季の戦力構想からは外れていることが判明。この日、福岡・筑後市のファーム施設で練習した内川は、現役への熱い思いを口にした。

   ◇   ◇   ◇

チームを過去4度、リーグ優勝に導いた功労者がソフトバンクを去り、プロ21年目の来季は他球団でのプレーを目指す。リーグ優勝翌日の28日、ファーム施設での練習を終えた内川は「自分の中では、衰えているとは思う必要がない。体調が悪かったり、ケガもないので、動ける状況のなかで野球をやらない理由がない」と、現役続行への熱い思いを口にした。

11年に横浜(現DeNA)から移籍。常に打線の中心打者として昨年まで6度の日本一にも貢献してきたが、今季はオープン戦で結果が出ず自身初の開幕2軍スタートとなった。結果重視のチーム方針に応えようと2軍戦40試合で打率3割4分の成績を残し、1軍昇格を目指したが、1度も1軍に呼ばれることのないまま、3年ぶりのリーグ優勝が決まった。

球団もチーム編成上、来年39歳になるベテランを来季の戦力から外したことが分かった。内川本人も、必要とされていない状況を受け入れざるを得なかった。チームがリーグV奪回へ勝ち進む中で「いつか自分もその中に入って行ければと思ってやっていたが、1軍の首脳陣の判断が『内川を1軍に』とならなかったことは残念だなと思う」と悔しさを込め、振り返った。退団は来月上旬にも発表される。

ただ、野球への情熱は変わらない。「打撃の感覚や形を自分なりに整理して、作り直そうとしていて、技術的にはまったなというところがあって楽しかった」。現役最多の通算2171安打の38歳が、レベルアップの手応えもつかんでいる。

「今年まだホークスでやらせてもらう期間があるので、最後の日まで、きちんと野球をやりたい」。ウエスタン・リーグ最終戦は11月1日。ホークスに別れを告げ、新天地を求めてリスタートを切る。