ヤクルトのドラフト1位、慶大・木沢尚文投手(22)が29日、神奈川・横浜市内の同大グラウンドで小川GM、山本担当スカウトから指名あいさつを受けた。

制服姿で出迎えた155キロ右腕は「先発、リリーフ問わず、必要とされる状況でマウンドを任せてもらえる、信頼される投手になりたい。大卒で即戦力性が問われる。まずは開幕1軍が目標」と気を引き締めた。広島遠征中の高津監督からは「一緒に頑張ろう!!」の直筆メッセージが贈られた。

目下、プロ入り前に手にしたいのが東京6大学リーグの優勝。11月7日からの早慶戦が優勝決定戦となり、慶大は1勝した時点でリーグVが決まる。つまり、土曜日の初戦で楽天ドラフト1位の早大・早川に投げ勝てば決められる。

ヤクルトの最初の入札は早川で、木沢は外れ外れ1位だった。「ライバルという意識は特になくて、6大学のエースたちにどう追いつくか、という中で成長してこられた。個人的な私情を挟むべきではないと思う。ただ、全部員の思いが報われる形で勝ちたい」と、プロの舞台に進む前の最後の対決に全力を注ぐ。

昨年は奥川が入団し、投手陣再建へ若きタレントがそろってきている。小川GMは「理想は先発完投。スタミナもあるのでそこを目指してほしい。うちはパワーピッチャーが少ないので、大きな力になってくれると思う」。スタイル抜群の慶応ボーイに「やっぱり賢そう。顔が小さい。間違いなく人気が出る雰囲気を感じたね」とスター性にも期待していた。【鎌田良美】