巨人が2年連続38回目の優勝を決めた。監督通算14年目の原辰徳監督(62)は、自身9度目のセ・リーグ制覇。チーム6年ぶりの連覇を果たし、京セラドーム大阪で11月21日に開幕する日本シリーズで8年ぶりの日本一を目指す。

<20年シーズンの巨人原監督采配>

◆主力への犠打(7月16日広島戦) いずれも3点リードの7回と9回、丸に犠打のサインを出して追加点につなげた。丸の1試合2犠打はプロ入り初。同15日の坂本の犠打に続き、主力にも特別扱いはなし。6年連続で勝ち越しがなかった鬼門マツダスタジアムで3連勝を挙げた。

◆ダブルスチール(8月4日阪神戦) 1点リードの8回無死一、二塁、打者坂本の場面で1ボール2ストライクからダブルスチール。坂本は投ゴロだったが、阪神馬場は慌てて二塁へ悪送球。ベースカバーに入った遊撃手も捕球できず(結果は野選)、二塁走者が生還し試合を決めた。

◆増田大登板(8月6日阪神戦) 11点ビハインドの8回1死、内野手の増田大が登板。この回から登板した5番手の堀岡が7失点と炎上。6連戦の3戦目で連戦も続く中、原監督は監督通算14年目で初となる野手をマウンドへ送った。増田大は無安打無失点で追加点を許さなかった。

◆2ストライクからの交代(9月7日阪神戦) 3点リードの7回2死一、三塁からの3球目。大竹がボーアに特大のファウルを打たれた直後に、左腕の大江にスイッチ。真ん中高めに入ったスライダーをファウルされ危険を感じての交代-、ではなかった。「2ストライク、あるいは2ストライク1ボールなら大江を行かせようと」ともくろみ通りの交代劇。ボーアには適時内野安打を浴びたが、後続を断ち勝ち越しは許さなかった。

◆プロ初勝利目前に涙の交代(9月21日広島戦) プロ初勝利を目指した先発直江を4点リードの5回1死一、二塁で降板させ、継投策へシフトした。降板後隣に呼ばれた直江は目を充血させながら話を聞いた。個人の白星よりチームの勝利を最優先した。