3位西武は2位浮上の絶好機を投壊で逃した。先発ザック・ニール投手が大誤算。

「左打者をどう抑えるかがポイント」とイメージしていたが、初回の小郷の先制弾に始まり、2回までの5失点はすべて左打者に打点を許した。制球が甘く、13連勝を飾った無双助っ人の姿はなかった。

3点差まで迫った7回にはロッテのサヨナラ負けの一報も届いた。1死二塁で一塁手メヒアの超美技も生まれ、機運が高まった。だが直後に田中貴にプロ初本塁打の2ランを被弾。9月14日に最大9ゲーム差だった2位ロッテからのCS出場圏奪還はお預けとなった。辻監督は9連戦の最中で2回KOとなったニールに「全然ダメだね。ここんとこ、ずっとゴロアウトがない。高めに浮くし、キレもない。ちょっと深刻ですね」と失意を示した。

ローテも修正を余儀なくされた。30日のソフトバンク戦は今井の順番だったが、急きょ平井に変更。28日のブルペン投球後から体の張りが取れず、この日の練習中に中継ぎ右腕に約1カ月半ぶりの先発を通達した。今井は軽症で様子を見ながらローテに再編入する。ロッテとは1ゲーム差を維持も楽天も背後に迫る。指揮官は「これから1日1日どうなるか。勢いあるチームだから性根を据えてやらないといけない」と佳境を見据えた。【広重竜太郎】