順風満帆に見えた連覇の道に、思わぬ生みの苦しみが待っていた。優勝マジック4でDeNA3連戦を迎えた巨人が、今季2度目の同一カード3連敗を喫し、今シーズンワーストの5連敗。中日も3連敗でマジックは1となり、優勝は30日ヤクルト戦(東京ドーム)以降に持ち越しになった。2回に丸佳浩外野手(31)のプロ通算200号となる26号ソロで追い付いたが、投手陣も粘れず敗戦。切り替えて、本拠地で決める。

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肌寒さが増した横浜で、最後まで1点が遠かった。2回に丸の同点ソロで追い付いたがすぐに勝ち越され、1点ビハインドの5回は無死一、二塁のチャンスで炭谷が併殺打に倒れて無得点。続く6回は1死満塁から丸、中島が連続三振に打ち取られた。

好機で1本が出ないシーンが続き、重苦しいムードが漂う。原監督は「ちょっとこういう展開が多いね。ちょっと我慢だね」と切り出した。サンチェスが1回に1点を失い、連敗数と重なる5試合連続の先制点を許した。2試合連続で同点には追い付いても、勝ち越せない。指揮官は「ピッチャー陣は頑張って、頑張って、頑張っているけど、バッター陣が点を取らないとね。リリーフもプレッシャーのかかる場面でずっといくからね」と続けた。

9月は月間19勝6敗1分けとハイペースで勝利を積み上げたが、10月に入って9勝14敗2分けとペースダウン。この日は1番吉川尚、2番松原の並びを3試合ぶりに復活させた。9月22日以降、31試合中28試合を任せたコンビに「試行錯誤しているというところでしょう。原点に戻ったというか。あの1、2番でチームは勢いを付けたわけだからね」と託した。

吉川尚は1四球、松原も1安打で出塁したが、結果にはつながらず。それでも中日の3連敗で、マジック1として東京ドームに戻る。本拠地でリーグ優勝を決めれば13年以来7年ぶり。原監督は「果報は寝て待て、という心境にはなりたくないね」とファンの前で、自力の勝利を待ち望んでいる。【前田祐輔】