途中出場の広島鈴木誠也外野手(26)が25号2ランを含む2安打3打点と奮闘した。1点を追う7回1死一、二塁から床田の代打で出場。谷元の低めカットボールを中前にはじき返し、同点に。5点リードの8回には藤嶋の直球を完璧に捉え、左中間スタンド中段まで放り込んだ。「とにかく集中する。それだけです」。集中力を研ぎ澄まし、チームを引き分けを挟む3連勝に導いた。

試合前まで最近5試合は打率1割2分5厘と奮わなかった。「どうやったら集中力を高めて試合に臨めるか、最近ずっと悩んでいました。今日はまずは集中してもう1回やってみようかなと。練習では良いので、それを信じてやろうと思いました」。休養で8月7日阪神戦以来、今季2度目のベンチスタート。ベンチでは守備から帰ってくるナインを先頭で出迎え、鼓舞し続けた。

チームは終盤に打線が爆発。7回以降で15点を奪う猛攻で大勝した。佐々岡監督は主砲の奮闘ぶりに「休養の中、チャンスで回ってきて打ってくれた。そこで大量得点につながった。あれは大きかった」と絶賛した。

25本塁打はトップまで3本差のリーグ5位。タイトル争いについて鈴木誠は「全く意識してないです」ときっぱり。残り試合に向け「最後まで少しでもチームの勝利に貢献できるように」と力を込めた。【古財稜明】