オリックスからドラフト4位指名を受けた立大・中川颯投手(4年=桐光学園)が3回1安打無失点に抑え、自身昨秋以来となる通算9勝目を挙げた。4-0の5回から2番手で投げ、7回まで0でつないだ。

「今までと比べたら、気持ち的に解放された感じで投げられました」。晴れ晴れとした表情で振り返った。26日のドラフト会議後では初めての登板だった。

今季は開幕当初は不振で苦しみ、ベンチ入りメンバーから外れたこともあった。「調子が悪い時に力でいくと、どんどん悪い方にいく。悪い中でも、できることを探そうとしました」。この日は「脱力」をテーマに、しなやかに右腕を振った。アンダースローからの直球は130キロ前後だったが伸びがあり、緩急も使って、打者にタイミングを取らせなかった。

1年春でいきなり10試合に投げ、2勝。チームは優勝、大学選手権でも日本一と、最高のスタートだった。だが、その後は優勝争いに絡まないシーズンが多く、自身の成績も下がった。「壁もあり、長い4年間でした。ただ、プロ野球はもっと厳しい世界。この秋、どん底を経験したと思います。役に立ちます。大学4年間のことを思い出して、これから、いつか当たるであろう壁に立ち向かっていきたい」と決意を口にした。

▽立大・三井健右左翼手(3回、法大・鈴木から逆方向の左翼へ通算9号の3ラン) 芯に当たり、風にも乗ってくれました。相手がドラフト1位などとは思わず、1人のいい投手に向かっていく気持ちでした。