ソフトバンクが優勝してますます強い。西武を15安打11得点で圧倒して10月を6連勝で締め、今月成績を22勝4敗1分けとして月間最多勝利数のプロ野球新記録を樹立した。

打率、得点、防御率も今季チーム月別トップで、投打のバランスの良さが際立った。4年連続日本一へ、最高の形で「勝負の10月」を飾ったホークスが、クライマックスシリーズ(CS)&日本シリーズの「仕上げの11月」に挑む。

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春にまいた種が秋に実をつけるように、ソフトバンクの強さが際立った。10月最終戦で西武に圧勝して月間22勝目をマーク。これまで西武、中日、巨人が持っていた月間21勝の日本記録を更新してみせた。工藤公康監督(57)は「投手陣は前半で失点しない。打線が早い回で先制し追加点も取れる。相手が勝ちパターンの投手を出せない展開が多く、投打のバランスが良かった」と言葉を弾ませた。

強さを象徴する試合だった。初回、2回と3点ずつを奪うと、5回は下位打線で2点を追加。7回と9回も効果的に得点を重ねた。「ここというところでしっかりタイムリーが出ている」と工藤監督。先発石川も6回4安打1失点の快投。リーグ連覇していた西武戦の今季勝ち越しも決めた。

10月は打率2割7分6厘、142得点、チーム防御率1・82は、いずれも今季チーム月別トップの数字をマークした。防御率については12球団でも今季月別で唯一の1点台だ。10日から12連勝し、24日の1敗後も再び6連勝。27日にリーグ優勝を決めてからも負けなし4連勝と、歩みを止めていない。「優勝が決まっても、日本一に向かって気を緩めることなくやってくれている。若手もアピールしてくれている」。工藤監督は高い意識を持ち続けるナインをたたえた。

この日打線は本塁打なしで今季最多タイ、3度目の11得点をマークした。これで05年からソフトバンクとなって積み上げてきた得点は9559点。ダイエーとして16年間の通算9562点にあと3と迫った。16年目は残り5試合。更新は目の前だ。

両リーグ70勝一番乗りで貯金はついに30。勝負の10月を最高な形で終えた「無敵ホークス」が、仕上げの11月に挑む。【浦田由紀夫】