イケメン内野手がワイルドかつスピード感満載のプレーで魅了する。西武6位指名を受けた東農大北海道のタイシンガー・ブランドン大河内野手(22)が6日、網走市内の大学内で指名あいさつを受けた。米アクション映画「ワイルド・スピード」が大好きで、顔は主演のポール・ウォーカー似。甘いルックスに50メートル5秒9の俊足と遠投110メートルの強肩、さらにパンチのある打撃を武器に“球界のアクションスター”を目指す。

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ブランドン大河が、モデルのような風貌と3拍子そろった野球センスを引っ提げ“球界の主演男優賞”を狙う。指名直後は、インパクトのある名前が話題になり、ツイッターでトレンド入りした。「ドラフト翌日に、友人に教えられて驚いた。これからは、名前以上に、プレーでもトレンドになれるような選手になりたい」と、爽やかな笑顔を振りまいた。

大好きな映画が、中学時代に見た映画「ワイルド・スピード」で、好きな芸能人は主演のポール・ウォーカー。「アクションシーンや車に乗っているシーンが、とても格好いい」と言う。高校時代から周囲に似ていると言われており「自分は野球で、ワイルドさとスピードを見てもらえたら」と意気込んだ。西武の前田育成・アマチュア担当チーフは「走攻守すべてスピードとパワーを備えている。見た目も良く、将来のスター候補」と期待した。

南国沖縄から「野球だけに専念できる」と、直線距離で約2500キロ離れた網走の東農大北海道に進学。1年夏にはホームシックで一度、実家に帰ったことがあった。「母に、もう1度頑張ってと言われ、自分が情けないと思った。野球を続けさせてもらった両親への恩返しのスタート地点に立てた」。苦手な冬も乗り越え、今季は主将としてチームをけん引。「いつか札幌ドームでもプレーできるようになりたい」と“第2の故郷”北海道への凱旋(がいせん)も思い描いた。

幼少期は母や友人と一緒に何度も沖縄でのプロ野球キャンプに訪れた。「ダルビッシュさんとか大谷翔平選手とか大きくてすごいなと思った。今度は自分が子どもたちに夢を与えられたら。将来は3冠王を狙えるような選手なりたい」。走攻守にルックスの“4拍子”そろえた万能プレーヤーとして、球界を突っ走る。【永野高輔】

○…プロでの登録名はファーストネームの「ブランドン」を希望した。ファミリーネームが「タイシンガー」で、「大河」はミドルネーム。「小さいときからブランドンと呼ばれている。もし選べるのであれば、その呼ばれ方が希望です」と話した。米国人の父デイビッドさんとは英語で会話しており「外国人選手とのパイプ役もできたら」と、状況に応じて“通訳”もこなす心づもりだ。

◆西武の水沢育成・アマチュア担当 沖縄の担当スカウトから引き継ぎ、大学入学時から見てきた。肩の強さと、ボールを遠くに飛ばす力にたけている。

◆タイシンガー・ブランドン大河(たいが)1998年(平10)6月14日、沖縄県うるま市生まれ。うるま伊波小4年から野球を始める。うるま伊波中から石川に進み、高校時代は最速147キロの投手としても活躍。東農大北海道では1年春からベンチ入りし、昨年の全日本大学選手権は3番三塁で4強入りに貢献。北海道6大学リーグで3度首位打者に輝き、ベストナイン5度選出。家族は米国人の父デイビッドさん(51)母恵さん(49)と弟、妹。179センチ、84キロ。血液型O。右投げ右打ち。