阪神矢野燿大監督(51)が12日、大阪市内の阪神電鉄本社で藤原崇起オーナー(68=阪神電鉄会長)にシーズン終了報告を行った。来季のコーチングスタッフも発表され、1、2軍コーチ陣の配置転換や新入閣、さらに「バント担当」「分析担当」の職責追加も発表された。バント担当は球界でも異例で、貪欲に1点を取りにいく姿勢がうかがえる。矢野監督3年契約の最終年の来季、総力を挙げて16年ぶりのV奪回を目指す。

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◆コーチの異例肩書

▼バントコーチ 07年のロッテは諸積兼司が2軍の「バント兼外野守備走塁コーチ」に就任。小技を重視するバレンタイン監督の発想だった。08、09年は1軍で「バントコーチ」を務めた。

▼ベースコーチ 13年の中日は平野謙が一塁ベースコーチ兼外野守備走塁コーチ、上田佳範が三塁ベースコーチ兼外野守備走塁コーチに。ベースコーチを守備走塁コーチが担当するのは珍しくないが「ベースコーチが大事」という高木監督の意向で肩書がつけられた。

▼分析コーチ 14年の広島は畝龍実スコアラーが投手コーチに就任。兼務で長年、データを分析してきた頭脳に期待し、分析コーチの肩書がつけられた。阪神でも19年から2軍打撃担当などとの兼務で日高剛が分析コーチを務めている。

▼派遣コーチ 17年の中日は大塚晶文コーチが米大パドレスの3Aに派遣され、肩書は「派遣コーチ」に。普段はマイナー選手の指導にあたり、米国での選手調査も担当した。