ロッテは14日からソフトバンクとのCSを迎える。井口資仁監督(45)は、ソフトバンク優勝直後に「選手層は厚いですし、そういう中でも最後に連勝したりしているところは、経験値も含めて我々よりはるかに上だなというところ」と捉えていた。いかに日本シリーズへの道を開くか。攻守両面で勝機を探る。【金子真仁】

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レギュラーシーズンは12勝11敗1分けだった。1試合平均失点は3・25点。敗れた11試合に限れば3・91点。ただ7点、6点、5点と失点ワースト3の日は、いずれも先発経験の浅い中村稔が投げている。福岡入り後の全体練習に姿はなく、今回のCSでは登板する機会はなさそうだ。

シーズンで勝ち越しただけのことはある。投手陣は役割を高水準でこなしてきた。今季チーム防御率3・81は、ソフトバンク戦に限定すると2・99にまで向上する。さらに、今回のCSで登板可能性が高い11投手に限ると、一気に2・35にまでなる。ロッテ打線のソフトバンク戦の1試合平均得点は3・46点。14ゲーム差がついているとはいえ、一方的な展開は考えにくい裏付けがある。

注意すべきは本塁打だ。今季、ソフトバンク戦でロッテが放った本塁打は14本(うち3本は現在は不在の両外国人)、一方で投手陣の被本塁打は25本。象徴的なのが11月4日のZOZOマリンでの試合だ。チェン・ウェインが丁寧に力強く投げていくものの、2本のソロを打たれ、打線は千賀に三振の山を築き、1点も奪えずに敗れた。2本の被弾はいずれも、あっさりと2死をとった直後だっただけに悔やまれる。

1番周東が出て3番柳田で返す-。ビッグイニングにつながりかねない得点パターンの“分断”も必須だ。今季、1番周東&3番柳田のコンビと戦ったのは12試合(うち1試合は4番柳田)あるものの、同一イニングで2人の連動が失点につながったのは7度にとどまっている。周東の出塁(併殺崩れなどを含む)は、直近9試合では38打席で11度。CSでも極力出塁を防ぎたいところだ。1試合を通じての高い集中力が求められる。