オリックスが15日、契約更改交渉をスタートし、トップバッターの張奕投手(26)は300万円増の年俸1100万円でサインした。大阪・舞洲の球団施設で交渉を終えた張奕はスーツに赤ネクタイで会見場に登場した。

「(球団から)来年はケガしない状態で開幕を迎えてほしいと言われました。(先発、救援)どっちでもいける準備をしてほしいと言われたので、課題と向き合って準備していきたい」

今季は先発ローテーションの一角を期待されたが、右肘痛もあり春季キャンプ中盤に離脱。ケガに苦しみ「(山本)由伸とか山岡とか先発陣を見て、ケガしないような柔軟性も取り入れたいなと思った」と振り返った。8月13日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)で1軍復帰し、最終的に13試合に登板して2勝4敗、防御率4・31の成績を残した。

9試合に先発後、10月末から救援で4試合を経験することで課題も残った。11月5日楽天戦(京セラドーム大阪)ではボークの判定に泣いた。「常に毎年、進化していかないといけない。来年は力を発揮できるようなフォームを固めていきたい」とセットポジション時のグラブの位置を固定した。張奕は18年に外野手から投手に転向。「自分がピッチャーになったのは、良いスピンをかけているから。そこをしっかり磨いて、ちゃんと投げられるように頑張ります」。原点回帰で、来季の飛躍を誓う。

大阪・舞洲の球団施設で続ける秋季練習後、中嶋監督は4年目右腕について「(調子が)良いときと悪いときがある。自分でゲームを作っていく方がうまくいくのかな? もちろん、先発の調整で来てくれないと困る」と先発枠での競争を期待した。

張奕は、オフは台湾に帰国して鍛錬を積む。「ケガなく、最後まで1軍にいられるようなシーズンにしたい」。強い気持ちで、来季に向かう。【真柴健】

(金額は推定)