プロ4年目の広島高橋昂也投手(22)が15日、みやざきフェニックス・リーグのロッテ戦(天福)に先発し、7回2安打無失点と好投した。昨年2月のトミージョン手術から、リハビリを経て、着実に復活への歩みを進めてきた。18年以来3年ぶりの開幕ローテーション入りへ、アピールを続けていく。

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高橋昂が、久々の7回のマウンドを全身で堪能した。2死一、二塁とこの試合初めてのピンチを切り抜け、94球を投げ抜いた。6回2失点と力投した9日楽天戦(天福)から中5日、昨年2月のトミー・ジョン手術後、最長のイニングを投げ「新鮮な感じというか、良くなってきたな…と実感しながら投げている。順調にきているかなと思います」と振り返った。

圧巻の投球内容だった。最速144キロの直球とカットボールを中心に、スライダーやフォークを両サイドに丁寧に集めた。ストライクを先行させ、5回2死まで完全投球。最後まで相手に三塁を踏ませなかった。「今日はスライダーをうまく使えて、打者の目線を外せたと思うし、フォークでもカウントが取れて、決め球にも何球か使った。全部うまくできたかなと思います」と充実の表情だった。

長いリハビリ期間を経て、9月5日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦(由宇)で公式戦復帰。10月から先発に返り咲いた。左肘への負担を軽くするために今年5月ごろから、投球時にトップの位置に早く腕を持って行き、軸足に体重を乗せる際に少しためを作って投げる新投法を確立させた。「フォームを変えてからコントロールが安定してきた」と手応えをつかんだ。

18年以来の開幕ローテーション入りへ、準備を進めていく。「スピードもまだまだ出ると思う。もっと全部のボールの精度を良くしたい。シーズン終盤、キツイところでローテを回っているということを想定しながらやっていきたい」。進化を遂げ、1軍の先発マウンドに戻る。【古財稜明】

▽広島畝3軍統括コーチ(高橋昂について)「真っすぐに威力があった。今の時点では良い投球ができていると思う。力で押し込めたというのは一番大きい」