「亀井慎之助」が、シリーズ男に名乗りを上げる。左足内転筋の違和感から復活した巨人亀井善行外野手(38)が17日、1軍に合流した。みやざきフェニックス・リーグで実戦を積み、東京ドームでの全体練習に参加。フリー打撃では広角に快音を響かせ、順調な回復を示した。「やるからには100%を出すことしか考えていません。全力で自分のやれること、役割を果たしたい」と鼻息プンプンだった。

勝負強さと経験に期待がかかる。8月、スタメンでも代打でも存在感を発揮する姿を阿部2軍監督になぞらえ、原監督が「亀井慎之助」と命名。同13日のヤクルト戦では代打でサヨナラ打を放った。一投一打が勝敗を分ける日本シリーズ。指揮官も「6番でも7番でもね」とスタメン起用も示唆する。昨年は第3、4戦でマルチ安打。攻守で頼れる男がピースに加わる。

この日も冒頭は2日連続でサインプレーなどの非公開練習を実施し、「原のカーテン」が敷かれた。「去年の悔しさは、昨日のことのように覚えています。挑戦者の気持ちで、今年は勝てるようにチーム一丸となって頑張ります」。昨年、4連敗を喫したソフトバンクに借りを返し、日本一を奪回する。【久保賢吾】

◆亀井と日本シリーズ 過去5度出場し、通算25試合で78打数18安打、4本塁打、7打点、打率2割3分1厘。日本ハムと対戦した09年第5戦は、1点を追う9回に武田久から同点弾を放ち、阿部のサヨナラ弾につなげた。ソフトバンクとの19年第3戦は、先頭打者アーチを含む2本塁打の活躍。09年は優秀選手賞、19年は敢闘選手賞に輝いた。