日本ハム栗山英樹監督(59)の来季続投が17日、正式決定した。都内にある日本ハム東京支社で行われたオーナー報告の席で、畑佳秀オーナー(62)から1年間の契約延長の要請を受け、受諾した。来季で就任10年目となり、連続在任期間は自身が持つ球団最長を更新。2年連続の5位から5年ぶりの覇権奪回へ非情采配をいとわず、本能の赴くままに厳しさを前面に打ち出すことを誓った。

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覚悟を決めた。就任10年目は非情に徹する。来季続投が決まった栗山監督は、前だけを見据えて言った。

栗山監督 自分も、チームにも足りないものが正直ある。それは、はっきりと口にする。情は全て捨てて向かっていく。今回に関しては、それが僕の責任だと思う。三原さんやいろんな人が(采配は)「情は3割」って言うけど、それでも(もっと)殺さないといけないのかもしれない。

監督業の師とも言える「魔術師」故三原脩氏(享年72)が残した教えも超える、厳しさを打ち出すつもりだ。

非情になりきるために、本能もむき出しにする。「全てをさらけ出す。自分が押し殺していた動物的なもの。ダメなものはダメ、いいものはいい。とにかく表現していく」。選手のプレーが物足りないと感じても、立場上、感情を押し殺すことも多かった自身の変化も期す。

勝つことがすべて。期待の若手だからとチャンスが多くなるとは限らない。「新人の選手は別だけど、ある程度、経験させて待ってあげるのは、やったはずなので。あとはもう、結果を出してください、ということを突き詰めていく。本当にクビになっちゃうといういい意味の怖さも必要」。実力至上主義。来季4年目の清宮、3年目吉田輝ら、投打でポテンシャルを秘める有望株にも、求めるのは結果。チーム内に緊張感を植え付ける。

栗山監督 ここまで経験させてもらった自分の失敗を、生かし切ってチームに落とし込まなかったら意味がない。日本ハム本社にも球団にも何にも恩返しできていない。しっかりやり切ろうと思っている。そこの覚悟は強い。

信じて続投要請をしてくれた球団のためにも、栗山監督は責務を全うする。【木下大輔】