巨人から育成ドラフト8位で指名された札幌大谷・阿部剣友投手(18)が21日、札幌市内のホテルで入団交渉を行い、支度金300万円、年俸360万円(いずれも推定)で仮契約した。

現在の最速は142キロで「まずは150キロを出して1日でも早く支配下登録されるように。そして将来は160キロを出してワールドクラスの投手になりたい」と意気込んだ。

背番号は「051」に決まった。左腕では日本球界最長身となる2メートル。メジャー殿堂入りした208センチ左腕、ランディ・ジョンソン氏の51番にちなんだ番号となった。阿部2軍監督の発案で、それぞれの目標を背番号に込めようという球団としての狙いがある。柏田スカウトは「長身で同じ左腕。目指すなら超一流を目指そうということ。支配下になったらゼロを取ることになるだろう」と説明した。

長身は両親から受け継いだものだ。この日は190センチの父貢さん(49)と160センチの母恵さん(48)も同席。貢さんは4人きょうだいの長男で、弟が192センチ、2人の妹も172、170センチと長身ぞろいだという。北斗市の実家は北海道新幹線の新函館北斗駅まで車で約5分と近く、貢さんと恵さんは「将来1軍で活躍する姿を、新幹線に乗って東京に出向いて応援できたら」と声をそろえた。

榑松スカウト部次長は「体格は天性のもの。大きく育ってほしい」と期待。この日から巨人-ソフトバンクの日本シリーズも開幕し、阿部は「自分もいつかは、菅野さんのように、日本シリーズで投げられるような投手になりたい」と思い描いた。【永野高輔】