別れがあれば、出会いもある。5日、楽天生命パークでの楽天ファン感謝祭で、ベテラン右腕2人の引退セレモニーと新入団選手発表が行われた。

楽天一筋15年の青山浩二投手(37)と3球団で18年間プレーした久保裕也投手(40)はともに涙ながらにファンへ現役最後のあいさつ。ドラフト1位の早大・早川隆久投手(22)は岩隈久志氏が背負った背番号21をお披露目し、イーグルスの選手として初めて本拠地に足を踏み入れた。

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スピーチ前から、こみ上げた。久保はバックスクリーンに映し出された巨人時代の同僚の西武内海、巨人山口3軍投手コーチからのビデオレターに感極まった。「巨人の時に一緒にいた時間が長かった2人。涙腺が弱くなりました」。

マイクの前に立っても涙は止まらない。「移籍先が決まらない中で手をさしのべてくれたのが、東北楽天ゴールデンイーグルスでした。入団テストの時、あまり手応えはありませんでした。しかし、経験を買ったと合格をいただきました。心の底からうれしかったです。帰りのタクシーで緊張から解放されたのか、号泣したことを今でも覚えています」と振り返る。「イーグルスを最後の球団にする、そう決めて1日1日を大切に過ごしてきました。イーグルスで4年間プレーすることができ、誇りに思います」と胸を張った。

福岡にいる両親へ、感謝の思いを口にした。「父親譲りの抜群の野球センス、母親譲りのマイペースさで18年間戦い抜くことができました」。現役時代は度重なるけがもあった。「両親からもらった大事な体に、たくさんの傷をつけてしまった。申し訳ないです。でも、その傷はプロで戦った一生消えない勲章として、僕の体に刻まれた。生んでくれてありがとう」。

そして最後は、常に寄り添ってくれた愛妻へ手紙を読み上げた。「どんな時も味方でいてくれて、支えてくれて、信じてくれてありがとう。出会えて良かった。生まれ変わってもまた結婚しましょう。裕也」。【佐藤究】