西武が、来季プロ20年目を迎える栗山巧外野手(37)に、複数年契約の提示を検討していることが12日、分かった。年俸も今季の1億5000万円からアップした上で、来季から2年契約の見込み。近日中に予定されている契約更改交渉の場で提示する方向で調整している。

今季の栗山は開幕から好調を維持し、チーム最高の打率2割7分2厘をマークした。打線が不振に苦しむ中、終盤には4番に入り打線を支えた。バットと背中でチームをけん引する揺るぎない信頼が、複数年という形になったようだ。

球団初の快挙をバックアップする意味も込められている。どんな殊勲打にも「1試合1試合、1打席1打席勝負した結果」と話す栗山は現在通算1926安打で、球団史上生え抜き選手としては初の2000安打まであと74本。2年連続100安打、07年以降14年連続74本以上打っている栗山にとって、来季中の到達は十分可能な数字だ。栗山の神髄は複数年でも1年勝負に変わりないだろうが、大台到達に時間的猶予は精神的にも大きな後押しになる。西武の象徴が来年も、再来年も山賊打線をけん引する万全の態勢が整う。