阪神矢野燿大監督(52)が12日に放送されたカンテレの「こやぶるSPORTS」に出演し、ドラフト1位の近大・佐藤輝明外野手(21)の開幕スタメンの可能性を明かした。

4球団が競合したアマNO・1の左のスラッガーへの期待は高く、競争で結果を残せば3月26日ヤクルト戦(神宮)の出場は十分ある。また、番組内では右の大砲候補、井上広大外野手(19)の来春1軍キャンプ参加も明言した。

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矢野監督が21年オーダーの一端を明かした。ボードをはめこむ形で示す中、6番候補の1人として「佐藤(輝)」の名を組み込んだ。ポジションはライト。佐藤輝はすでに来春1軍キャンプ発進が決定的だが、「開幕スタメンもあるっていう感じですか?」の質問に、指揮官は答えた。

矢野監督 結果をしっかり、競争の中で勝ってきてくれたら。僕はもちろん、常に競争と言っているので。

ポジションを与えるのではなく、競争の大原則を貫く。しかし、佐藤輝へ大きな期待を寄せているからこその発言。1965年(昭40)ドラフト制後の阪神新人の開幕スタメンは、19年の近本&木浪以来で、過去9人しかいない。

佐藤輝は入団会見時に1年目の具体的な目標について「(本塁打を)30本くらい打ちたい」と掲げている。指揮官はその大砲について、あらためて「魅力がありますよね。遠くに飛ばせる。身体能力も高い。近い将来、大山と佐藤(輝)でホームラン王争いできるような素材だと思う。日本を代表するような素材だと思う」との言葉を並べた。

矢野監督は番組内で「現状、僕は外野を考えている。外野の守備がどれくらいできるかというところもポイントになってくる」と、こちらもあらためて外野起用が基本線とした。その外野を見渡せば、センター近本は不動とみられ、レフトかライトでは外国人選手を含めた争いが待つ。球団は新助っ人として今季KBOで本塁打、打点の2冠に輝いた韓国KTのメル・ロハス・ジュニア外野手(30)と大筋合意に達している。さらに番組内で指揮官はサンズ一塁の可能性も示したが、外野で競うケースは当然あり得る。さらに糸井、陽川、中谷、高山…。佐藤輝が、激しいバトルの輪に入っていく。【松井周治】