“イチロード”進む。広島の育成を含む新人7選手が入団発表記者会見前日の14日、広島入りした。ドラフト4位の智弁和歌山・小林樹斗投手(17)は4日までイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)から指導を受けた。ブルペンで“対戦”もし、超イチ流の金言を胸に同じ高卒ドラフト4位入団からの成り上がりを目指す。

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新幹線に乗って初めて足を踏み入れた広島に持参したのは、大きな荷物だけではない。小林の胸には、イチロー氏からの金言が刻まれていた。今月2日から3日間、スーパースターが初めて直接指導した智弁和歌山ナインの中に、広島のドラフト4位右腕もいた。

「本当に偉大な方でオーラがすごくて、実際ブルペンで投げているときには打席に立っていただいた。その中でいろいろ聞かせていただいたので、自分のプラスになっていると思う」

ブルペン投球の際には左打席に立ってもらった。おなじみの打席でのルーティン付きの“対戦”に緊張しながらも、全球種を披露。きっちりと内角にも投げ込んだ。対戦後には直接声をかけられた。「両サイドに真っすぐを投げ込めているので、なかなか打ちづらいかな。あとツーシーム、カットボールは使えるね。プロに入ると今まで楽しかった野球が、本当に責任が生じてくる。なかなか楽しめない部分が出てくると思うが、頑張れ」。ほかにも「左肩の開きが早いと、どうしても球が見やすくなる」。特別な時間と多くの助言がプロでの大きな財産となる。

偶然にも指名順位はオリックス入りしたイチロー氏と同じ4位。「常にチェックしているよ」という言葉を励みに、プロとしての1歩を踏み出す。「とにかく1年目から1試合でも多く1軍のマウンドに立って、勝ちにつなげられたらなと思っているので、早く1軍のマウンドに立つということを目標にしていきたいと思います」。野手と投手との違いはあっても、目指すは“イチロード”だ。【前原淳】