前ソフトバンクの加治屋蓮投手(29)が15日、兵庫・西宮市内の球団事務所で入団会見を行い、勝利の方程式入りを誓った。

背番号「54」、年俸は2000万円で合意。「野球選手である以上、いいところで投げたいのは全員が思う部分。矢野監督の胴上げの1つのピースとなることが一番の目標」。セットアッパーの一角へと気合十分だった。

主戦場となる甲子園は思い出深い場所だった。18年5月29日の阪神との交流戦で1回を無失点に抑え、プロ初勝利を手にした。「自分にとっては特別な場所だと感じています。特に投げやすいと感じたマウンドでもありますし、いい印象しかないです」。そのカードは3連投して無失点で1勝2ホールド。縁起の良い聖地から再出発することになった。

150キロ超の直球とフォークを武器に13年ドラフト1位でソフトバンクに入団。18年には球団最多の72試合に登板した。その後は右肩痛を発症し、19年は30試合、20年は6試合と減少。それでも矢野監督は「周りの人に聞いても、けがの状態は良くなってきている」と復活を信じた上で、「ソフトバンクでしっかり経験を持っている加治屋に来てもらうのはすごく心強い。勝利の中の1枚のカードとして取った」と大きな期待を寄せた。

今季25セーブでタイトルを獲得したスアレスも元ソフトバンク。守護神の来季残留は濃厚で「元鷹リレー」を組むことも夢じゃない。「シーズン中もずっと活躍を見ていました。すごいなと思う半面、自分もやらないといけないなと刺激を受けた。少しでも近づけられるように頑張りたい」。今後日本シリーズや交流戦で古巣相手に投げる可能性もある。「自分が成長した姿をもう1度見せたい。絶対に負けない気持ちを持ち続けたいなと思います」。虎の加治屋で、もう1度輝く。【只松憲】(金額は推定)

◆加治屋蓮(かじや・れん)1991年(平3)11月25日生まれ、宮崎県出身。福島-JR九州を経て13年ドラフト1位でソフトバンク入団。18年に球団最多タイのシーズン72試合登板を果たし、セットアッパーとして日本一に貢献。185センチ、89キロ。右投げ右打ち。