阪神は25日、今季限りで現役引退した藤川球児氏(40)が来季から「Special Assistant(スペシャルアシスタント=特別補佐)」に就任すると発表した。新ポストの同職は、新外国人調査など編成面のアシストに加え、球団の野球振興に関わる活動のサポートなど広範囲の働きを担う。過去に引退直後の選手が特別職に就任した例はなく、異例の抜てきとなった。

中でも注目は編成面の仕事に携わることだ。谷本球団副社長は「彼は視野も広いですし、今もアメリカにいるんですかね。いろいろな情報を提供してほしいと思っている」と期待を込めた。米大リーグや国内の独立リーグでもプレーするなど経験豊富。新外国人発掘に参画するために、球団の国際担当やアンディー・シーツ氏(49)ジェフ・ウィリアムス氏(48)らの駐米スカウトらとも情報交換する可能性がある。鋭い眼力と幅広い人脈を生かした編成面のサポートは、球団にとって大きなプラスだ。

藤川氏は球団を通じてファンに向けて今後もチームに貢献すると約束した。「チーム運営、選手、スタッフへのサポート、そして野球界のさらなる発展に向けて、次世代の野球界を担うこどもたちや、女子野球も含めて、幅広くタイガースを支えていきたいと思います」。第2の野球人生は、阪神の強力バックアップに努める。

 

◆シーツ、ウィリアムス両氏のスカウト活動 シーツ氏は09年に、ウィリアムス氏は11年にそれぞれ阪神の駐米スカウトに就任した。シーツ氏は就任早々の09年オフに、マートンやメッセンジャーの獲得に奔走。阪神在籍中にマートンは1020安打、メッセンジャーは98勝と球史に残る活躍を見せた。13年オフに見いだしたゴメスは、1年目の14年に打点王となった。またウィリアムス氏が推薦した15年オフ入団のマテオは、16年20セーブ、17年には最優秀中継ぎ投手となる43ホールドポイントと期待に応えた。