広島中田廉投手(30)が27日、広島・大野練習場での自主トレ後、新兵器「スラッター」を習得中だと明かした。カブス・ダルビッシュやソフトバンク千賀らも利用する野球指導サロン「NEOREBASE」(ネオリベース)の都内施設をこのほど訪問。投球の軌道や回転数を計測するラプソードやスーパースローカメラなどで現状分析した。

持ち球のフォークボールがシュート気味に斜めに落ちることから、中田は「対になるボールがあった方がいい」とそれとは逆方向に曲がる「スラッター」に的を絞った。スライダーとカットボールの中間に位置するスピードボールで、「打者はより判別ができなくなると思う。(回転数など)すごく良いデータが出てていた。右打者の外角に投げられたら結構大きい」と青写真を描いた。

短いオフを利用して自らの投球そのものを最新機器を使って数値化した。その理由について、中田は「数値がいいから結果が出るということではないですけれど、自分の感覚と機械との誤差をなくしたい。(データ分析を)突き詰めてやると、より野球の深みが出るというか(現状を)分かることに損はないので」と説明した。

今季は32試合に登板して0勝1敗、防御率4・28。「1年1年が勝負の中で今年は使ってもらった」。11月中旬に手術を受けた右膝は順調に回復し、キャッチボールの強度も上がっている。来季はプロ13年目。「自分の力で60試合投げたい。そうすれば自分の立場も確立されてくると思う。セットアッパーとか良いところで投げられるように体も作っていきたい」。尽きない向上心で、定位置奪取へ挑む。【古財稜明】