ロッテのマスコット「謎の魚」が、エイベックスからCDデビューすることが31日までに決まった。すでにレコーディングやMV撮影も済んでいるとみられ、年明けにも同社から正式発表される。

17年に入団した謎の魚は、19年末に「来年から生声を皆さんに披露するつもりです。グフフフ」とCDデビューを宣言。発売元を募集したが、手を挙げる会社はなかった。2月中旬に「今ならタイムセール」と宣言し、SNS上でクセのある歌声とともに安売りを始めたが、それでも声は掛からず。ツイッターで4カ月間の沈黙を貫くなど大人げなくすねていた。

「佐々木朗希のデビューに合わせたい」という言い訳も始めていた。それがまさか、ここに来ての大逆転契約だ。エイベックス・エンタテインメントのレーベル事業本部・猪野丈也取締役本部長は「ビジュアルはもちろん言動1つ1つが表現者としてオリジナリティーにあふれ、何か新しいものを生み出すことができるのではと感じたからです。閉塞(へいそく)感のある世界に明るい何かを届けられたらうれしく思います」と契約理由を説明した。

異例のシーズンも報われた。無観客試合で仕事もなく、ZOZOマリンの左翼席でボーッと座る姿も目撃されている。有観客となった後は、試合途中の手洗いダンスでファンの「ウオッシュウオッシュ」を先導するのがルーティン。ダンスの待機中にはホームランボールが直撃しかけた。

2年越しの朗報に、謎の魚も水を得た魚のようだ。「魚界では歌の貴公子と呼ばれ続け、早くも100年がたちそうな私です。グフフ。そんな歌の帝王と呼ばれている私にオファーをくれたエイベックスさんはお目が高いですなあ。グフフフ…。魚の数ほどあったオファーの中から一番にオファーを頂きましたので、義を貫いて決めさせていただきました。エイベックスと桃園の誓いをたて契約を結びましたので、これからはもう義兄弟です。成功しても大コケしても連帯責任ですのであしからず。グフフフフ」と長々と話した。

ロッテでは86年の落合博満氏以来、35年ぶりのCDデビューとみられる。