21年シーズンのブレークが期待されるイチオシ選手を各球団の担当記者が紹介します。ロッテからは東妻勇輔投手(24)です。

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ロッテの右腕・東妻のブレークに期待したい。智弁和歌山から日体大を経て18年ドラフト2位で入団。速球と投げっぷりの良さが買われ、1年目には24試合に登板した。DeNA東妻純平捕手(19)は実弟にあたる。

ロッテは昨季、強力リリーフ陣の活躍もあり、2位に躍進した。ただ、異例のシーズンだったこともあり疲労度は未知数だ。オフには沢村拓一投手(32)が海外FA権を行使。去就にかかわらず新たなリリーバーの登場は必須で、東妻はその有力候補になる。

昨年も順調だった。3月22日のソフトバンクとの練習試合(ペイペイドーム)では153キロをマーク。失点が少なく、回またぎの起用も試されるなど、2年目のステップアップが見えていた。ところがコロナ禍で開幕が延期になり、歯車が狂った。

活動再開後、球速が戻らない。東妻のそれは特に顕著だった。5月30日の紅白戦、145キロの球が乱れる。制球を整えた140キロ弱を打ち込まれた。

「振れない腕をより振ろうとしてしまったところでコントロールが悪くなり、逆にスピードも出なかった。焦らず体を作り直せば良かったのに、近回りをしようとしちゃってそうなったのかなと思います」

客観的に反省し、改善へつなげられるのが強みだ。秋の秋季教育リーグでは「変に力みすぎてるよね」と吉井投手コーチから助言され、力の抜き方を学んだ。「球速表示が出ない球場が多かったので、表示を気にせずに逆に集中できた。球の質を磨けたのかなと思います」と手ごたえもある。

自身が苦しむ中、同い年の右腕小野が速球で押すリリーフとして台頭した。それを「嫉妬」「焦り」と素直に表現しエネルギーに変える。2人の競い合いは、チームの未来にも大きい。【ロッテ担当 金子真仁】

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