21年の飛躍が期待される投打の主力候補が、ぶっちゃけトークを展開した。日本ハム野村佑希内野手(20)吉田輝星投手(19)の18年ドラフト入団同期コンビが新春対談。お互いを他己紹介した。存在感を示した昨季や、高校時代からの印象を、お互いの視点からお世辞なしにチェック。今シーズン、2人が思い描く姿とは。【取材・構成=田中彩友美】
◇ ◇ ◇
-吉田選手、他己紹介をお願いします。
吉田 野村佑希です。趣味は…。
野村 質問に答えていくんじゃないの!?
吉田 そっちのほうがいい! ムズいっす!
-今年の野村選手は悔しさが残ったのでは
吉田 結構、打てました(キッパリ)。手応えはメッチャありました。
-もっと出来たのでは
吉田 最初は緊張しましたけど、途中からは自分のプレーが出来たので良かったです。…ふふふ。
野村 僕の思っている自己紹介と違う! なりすまし?
吉田 おもろいな~!
-野村選手の他己紹介を続けて下さい。先ほど、趣味を言いかけていた
吉田 確実な趣味は、漫画とかアニメ。結構暇なので、よく見ています。最近は「呪術廻戦」。はやっているらしいんです。ジェイ(野村の愛称)は釣りもやらないし。ゴルフは?
野村 始めていこうと思っている。
吉田 じゃあ趣味は…パチンコでお願いします。
野村 ダメだよ! ゴルフクラブ買ったんだから。
吉田 いいな~。オレも欲しいんだけど。
野村 (松本)剛さんが買ってくれた。
吉田 じゃあ趣味はゴルフです、これから!
-次は野村選手、吉田選手になりきってください
野村 勝ちっていうのは、どんな投球していても欲しかったと思います。
-サービス精神旺盛な発言は、事前に考えてくれているんですか
野村 だから…。
吉田 だから!?
野村 自分に自信が、多分あるので…。
吉田 何がや!(笑い)
野村 来年の目標とかも、大きく言えているのかなと思います。
-その自信は、どこから来ているんですか
野村 高校時代の金足農業での練習とか、甲子園での活躍とか、ああいう時に(サービス精神は)持っていなきゃいけないので。そういうところからだと。
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-他己紹介はここまでにします。プロでチームメートになってからの印象は
吉田 ジェイを初めて見たときは、デカいな~って。マンチュウ(万波の愛称)がデカいのは知っていましたけど、ジェイがこんなにデカいとは思わなかったです。
野村 コーセイは、テレビで見ているときよりも、しゃべるなって。
吉田 そう?
野村 ストイックな感じかなと、寡黙な。
吉田 それは…ない(苦笑)
野村 すごい陽気な感じだった。
-仲良しですね
吉田 いや~、よくないっすね。ははは、うそです!
野村 仲いいです!
-2人だけが知る、お互いの姿は
吉田 ジェイは意外と、女の子が好きですかね。
野村 何だよお前、マジで…。
吉田 (笑い)。それこそアニメとかじゃないですかね。あんまりイメージなかったですけど、真面目なのかなとちょっと思っていたんですけど。全然そんなことなかったですね、いい意味で! そんな、はっちゃけるタイプではないんですけど結構、面白いんです。
-冗談言ったり
吉田 僕らの同級生、ボケしかいないので。ツッコミ系ですね。結構ツッコむ。貴重なツッコミです。僕ら世代で。
-野村選手は疲れませんか
野村 いやいや全然。全然、大丈夫ですよ。
-吉田選手は、見たままの感じ
野村 まんまっすね。あんまり落ち込んでいるのは見たことないです。
-今年、未勝利に終わったときも
野村 悔しがってはいましたけど、落ち込んでいるのは分からなかったですね。
-20歳(吉田は1月12日生まれ)。想像していた大人の姿とは
吉田 ハタチを思い浮かべたことが、なかった。高校生のときよりは、しょーもないことは、しなくなりました。
-しょーもないこと?
吉田 ご想像にお任せします(笑い)あんまり怒られるようなことはしないですね、最近は。プロ野球選手になったから、というのもありますけど。
野村 プライベートは、そんなに変わりない。ハタチになる前とか、なってから、こんなに1軍で(試合に)出させてもらうとは思っていなかったですね。
-想像していたよりも、いい成人を迎えられた
野村 そうですね、いい…。
吉田 うそつけ、お前!
野村 (無視して)いい1年になったんじゃないかなと思います。
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-最後に、今年の自分たちを再び他己紹介で
吉田 意外とジェイは、サードから声をかけてくれる。守備にいるとサード、ファーストはキャッチャーの次に近い。中田さんもすごい声かけてくれますが。だから「僕が投げている時は、打ちたいと思います」
-結構、打ちますか
吉田 結構、打ちますね。やっちゃいます!
-野村選手、吉田選手の今年は
野村 しっかりローテを1年間守り切ります。キャリアハイとかではなく。…2ケタしっかり勝ってもらわないと、ですね。
<野村佑希と吉田輝星のアラカルト>
★2人の生まれ年 ミレニアム・イヤーと呼ばれる00年生まれ(吉田は01年の早生まれ)。危惧された2000年問題は大きな混乱はなかったが、4月に小渕首相が病に倒れ、森政権が誕生。米国でも、ブッシュ大統領が就任した。スポーツ界では9月にシドニー五輪が行われ、マラソンの高橋尚子が、日本の女子陸上競技で初の金メダルを獲得。プロ野球では、王ダイエーと長嶋巨人の日本シリーズON対決が実現。2冠王・松井秀喜擁する巨人が、松中信彦、城島健司のダイエーを4勝2敗で破り、6年ぶりの日本一に輝いた。同学年は競泳・池江璃花子、柔道・阿部詩、卓球・伊藤美誠、女優・浜辺美波、乃木坂46・与田祐希、タレント・岡田結実、中日・根尾昂、ロッテ・藤原恭大など。
★甲子園成績 金足農・吉田は3年夏、秋田大会から甲子園準決勝まで10試合連続完投勝利。決勝は大阪桐蔭に敗れ準優勝。2年夏に2本塁打を放ち全国制覇に貢献した花咲徳栄・野村は、3年夏も初戦から2試合連続本塁打。しかし2回戦で、現チームメート万波のいる横浜に敗れた。
★プロ初出場 吉田は1年目(19年)の6月12日広島戦(札幌ドーム)で初登板初先発。5回4安打1失点で初勝利を挙げた。野村はケガもあり、デビューは2年目の昨季。開幕前の練習試合でアピールを続け、6月19日西武との開幕戦に「8番三塁」でスタメン出場した。
★来季年俸 今オフの契約更改で昇給したのは野村。280万円増の880万円でサインし「また頑張ろうという気持ちになった」。一方、未勝利に終わった吉田は現状維持の1030万円で更改。「悔いの残るシーズンだった」。(金額は推定)