今秋ドラフト候補を日刊スポーツのオリジナル野球カード付きで紹介する「ドラフト候補全員!? 会いに行きます」。今回は大学生・社会人編。筑波大・佐藤隼輔投手(3年=仙台)は最速151キロ左腕。

柔らかな腕のしなりから、糸を引くようなボールがミットに吸い込まれていく。20年12月13日。筑波大・佐藤は、直球と切れのいいスライダー、チェンジアップの50球を投げ込み、この年の投球を締めくくった。

最速は151キロ。2年春から川村卓監督(50)と取り組んだ瞬発力トレーニングが、成長の土台となった。高校3年時の最速144キロから、2年で飛躍的に球速がアップ。「体のバネを感じながら投げられるようになりました」と手応えをつかんだ。

持ち前の身体能力の高さと、技術がかみ合ってきた。投球時はより打者寄りでのリリースを意識。「(今はこれまでより)ボール1つ分前で押し込むイメージ。体重移動とリリースのタイミングがかみ合って新しい感覚があります」。川村監督も「体がきれいに回転している」と評し、スライダーのキレも増した。

今年の目標には「大学4年間で積み上げてきたものを証明するためにも(ドラフト)1位でプロに行きたい」と力を込めた。「20年は早川さん(楽天)の年。それに続くか、超えられる存在になりたい」。実現すれば96年にオリックスから1位指名された筑波大・杉本友以来、史上2人目の国立大出身のドラ1指名選手となる。快挙へ挑戦の1年が始まる。【保坂淑子】