巨人は8日、ポスティング制度を利用して米大リーグ各球団との移籍交渉を進めていた菅野智之投手(31)から、今季も巨人でプレーすることを決意したとの連絡があったと発表した。球団は「菅野投手は読売巨人軍の契約保留選手として公示されており、当球団は今後、菅野投手と早期に選手契約を締結する所存です」とした。

菅野は日刊スポーツの取材に応じ「今回のポスティング手続きを通じて、交渉していただいたMLB球団はじめ、サポートしていただいた全ての方に深く感謝申し上げます。交渉を重ねていった結果、挑戦するタイミングは今ではないと自分自身判断しました。しかし、この期間で経験したことは今後の人生においてかけがえのない財産になったと確信しています。ジャイアンツに入るにあたって1年の浪人生活を経て入団した経緯や、私の夢を後押ししていただいた、読売巨人軍には感謝の気持ちでいっぱいです。今年は全力で原監督、チームメートとともに日本一奪還を目指します。その先にまだ自分にチャンスがあるのであれば考えていこうと思っています。皆さんの期待に応えられるように精いっぱい頑張ります」と思いを述べた。

山口寿一オーナーは「世界でコロナ禍が深刻化する中、悩み抜いた末に残留を決断してくれ、感謝します。菅野投手は巨人軍の大黒柱。チームとともに一層飛躍してもらえるよう、全力で支援していきます」とした。

◆ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。12年までは最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と30日間交渉できる。移籍できなかった日本選手は菅野で9人目(10度目)。