元巨人の桑田真澄氏(52)が古巣に初入閣することが11日、分かった。ポストなどは最終調整中で、近日中にも正式発表される見込み。桑田氏は85年にPL学園(大阪)からドラフト1位で巨人に入団し、エースとして173勝をマーク。07年のメジャー挑戦後、08年に現役を引退した。引退後は野球解説者として活躍。東大などで特別コーチの経験はあるが本格的に指導者として活動するのは今回が初となる。

13年から2年間、東大の特別コーチとして定期的に指導した時代を、桑田氏の言葉とともに振り返ります。

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◆13年1月27日 東大の選手を初指導。

-東大特別コーチに就任して

非常にうれしかったです。日本の野球の原点は東京大学なんです。その原点である東大でコーチをさせていただけるということに非常に感謝しています。

-東大の選手は

今日初めて選手に会ったのですが、期待を裏切られましたね。もうちょっと背が低くて細い人をイメージしてたんですけど、期待以上に体格のいい選手と、そして上手な選手がいたのでレベルも自分が思っていた以上に高かった。

-どんな指導をする

野球は体力と技術の勝負だと思われているんですけど、考えることが非常に大事だと思っている。僕もプロ野球、メジャーと体の大きい集団でハンディを持って戦ってきた。東大の選手は6大学で体格にも技術的にも高校時代の実績も劣る。その部分で僕と同じ。自分のすべてを伝えて競技力を高めていきたい。日本で一番考えられる集団だと思うので。

◆13年5月4日 神宮で東京6大学リーグの東大戦を初観戦。3回に先制しながら逆転負けして、51連敗。試合後はミーティングに参加した。

「追い込んでから、真ん中高めに投げる必要はない。ストライクからボールになる変化球がテーマ。勝利の喜びを味わってほしい」。投手は外角低めの制球を磨くこと、失策や四球から失点する確率が高いことを説いた。

◆14年3月14日 東大大学院の総合文化研究科に合格したことを明らかにした。研究計画書が認められ面接試験もパス。4月から研究生として野球の投球や打撃の解析などを行うことが決まった。

「博士号を取得することが目的ではない。自分が(現役時代に)培ってきた理論の裏付けがしたい。今後の指導にも生きる、新たな発見もあると思う。東大との縁に感謝しています。いつか(プロ野球界から指導者の)オファーがもらえるよう、実力をつけていきたい」

◆14年4月20日 東大が歴代ワーストタイの70連敗を喫する。スタンドで生観戦。

「大事なのは明日、これからです。結果を変えたければ、行動を変える。何かを変えていかなくてはいけない」