14年沢村賞右腕の日本ハム金子弌大投手(37)が29日、田中将大投手(32)の日本球界復帰に闘志を燃やした。オリックス時代の13年には、沢村賞の基準7項目をすべて満たしながら、圧倒的な数字を残した田中に同賞を譲った。2季ぶりに先発復帰を決めた今季は、開幕カードが楽天3連戦。ローテ入りし、再戦を望む。

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2季ぶりの先発復帰へ沖縄・名護で調整中の金子が、かつて同リーグでしのぎを削った田中将の楽天復帰に胸の内を明かした。

金子 日本球界のことを考えると、メジャーでも活躍している選手が日本で投げるというのは、すごくいいこと。同じパリーグなので、盛り上がる。個人的な意見を言うと、楽しみでもありますけど、出来ることなら対戦はしたくない。でも、同じマウンドで投げているからこそ、感じ取れることもある。

開幕カードは敵地での楽天3連戦。いきなり、9年ぶりの投げ合いが実現する可能性も出てきた。

言葉の端々に、相手への敬意がにじんだ。ともに07年にプロ初完封。以来、金子はオリックスで、田中は楽天で、それぞれエースの道を駆け上がった。13年には、先発投手にとって最高の栄誉となる沢村賞を争った。金子は「争う余地はなかった」と謙遜するが、この年、同賞の選考基準7項目すべてをクリア。達成6項目ながら24勝0敗でシーズンを終えた田中将の前に初受賞を逃した。

月日は流れ、田中将はメジャーの名門ヤンキースで6年連続2ケタ勝利。金子は日本ハムで優勝を目指して奮闘中だ。「僕も、まだまだやりたいと思っているので、盗めるところは盗んで、何かを感じ取れたら」。田中将の再登場は、年齢を重ねても尽きない探求心を、一層、刺激する。

2人が先発で投げ合ったのは、過去2度しかない。09年は3-1で金子が完投勝利。12年は延長11回、2-2で引き分けた。「(田中将は)負けないピッチングというのを知っている。年下ではありますけど、胸を借りるつもりで」。しびれる投手戦をファンは待っている。【中島宙恵】

◆13年の沢村賞 オリックス金子はリーグトップの223回1/3を投げ、ほかにも登板数(29)完投数(10)奪三振(200)でリーグ1位。勝数(15)防御率(2・01)も同2位と好成績を残し、同賞の選考基準である7項目(25試合、10完投、15勝、勝率6割、200回投球、150奪三振、防御率2・50)すべてをクリアした。しかし24勝無敗で最多勝、最高勝率、最優秀防御率(1・27)のタイトルを獲得した楽天田中が同賞を受賞。田中は完投数(8)が選考基準に足りていなかった。

▼日本ハム金子と楽天田中の先発での投げ合いは過去2試合(金子は当時オリックス)。どちらも息詰まる投手戦を展開した。

09年6月26日の対戦は、金子が初回に1点を失ったが、2回以降は三塁を踏ませない快投。一方の田中は1点リードの6回、ラロッカに2ランを浴びるなど逆転を許した。勝利した金子は9回4安打1失点、田中は8回6安打3失点、ともに完投だった。

2度目は12年4月6日。金子は7回8安打1失点の好投で救援陣へバトンタッチ。完投勝利目前の田中は9回に2点を失い同点に追いつかれ、この回終了で降板した。試合は延長11回引き分け。