楽天三木谷浩史オーナー(55)が30日、都内で行われた田中将大投手(32)の入団会見に同席した。

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会見の冒頭、マイクを握った三木谷オーナーの表情は晴れやかで、言葉は熱を帯びた。世界中が新型コロナウイルスで苦しむ中、日本のエースが東北のマウンドを舞台に復帰を決断した意義、意味を感じながら、大いなる希望を込めた。

三木谷オーナー コロナ禍で世界が苦しい中、あえて日本に復帰し、東北楽天イーグルスに帰ってきてくれる。おとこ気といいますか、心意気も含めて感謝しております。

オーナーの心には、13年の楽天創設初となる日本一のシーンが深く刻まれる。11年に発生した東日本大震災で苦しむ被災者に勇気を届け、希望の光をともした。運命かのように、今年は震災から10年を迎える。

三木谷オーナー 今年は東北を襲った大震災から10年という年でもございます。また彼のピッチングが東北、そして日本、また世界を元気にしてくれる。炎の投球を見せてくれるというふうに期待しています。

世界を代表する名門ヤンキースで、先発ローテーションを任された。田中将を東北から日本、世界のエースに育てた2人の恩師の思いも胸に抱いた。

三木谷オーナー まだまだ大リーグで通用するという中で、思い切った判断をしてくれた。本当に天国のノムさん(野村克也)、仙さん(星野仙一)も喜んでくれているのではないかと思っています。

立花球団社長、石井GM兼監督から田中将獲得に向けた相談を受けた際には「絶対取れ」と即答した。田中将復帰によって、球界屈指の先発ローテが完成。「力強いラインアップの投手が並んでくるということで、期待できるシーズンになるのではないかと思っています」と8年ぶりの日本一を期待した。【久保賢吾】