巨人の4番は、この名前が座りがいい。

11日に実施される今キャンプ2度目の紅白戦の白組スタメンに、「4番 指名打者 岡本」の名前が記されていた。当初、宮崎での1次キャンプで予定されている3試合の紅白戦には出場せず、調整を優先させる方針だった。紅白戦前、原辰徳監督(62)は「自分で(打席に)立ちたいということで、いいでしょうと」と、志願の出場だと説明した。

肉体、技術、精神。すべてで成長を遂げている要因の1つに、宮崎キャンプでの野手主将への指名されたことは無関係ではない。声を出したり懸命に白球を追うだけではなく、高い技術と意識を持って取り組む姿が、他の若手への手本にもなっている。原監督は「(野手主将に)なるべくなったと思いませんか? 特にこじつけたわけでも何でもないし、自然の中で彼が主将ということ。こういう一面もある、そういう意識をちゃんと持てばリーダー意識のちゃんとある人なんだということは思いました。技術でもちゃんと引っ張れる。打撃練習にしてもティーにしても、技術でも引っ張れるというのが素晴らしいですよね」と賛辞を並べている。

地位が人を作り、環境が人を育てる-。2月11日に一周忌を迎えた野村克也氏の言葉だ。その意味を、原監督と岡本和からも感じている。原監督は「環境が人を育てるという意味でも、十分よくやってくれている」と目を細めた。巨人の4番を任せる打者に、野手のリーダー役も託した指揮官-。巨人の4番を張る打者として最善の調整は実戦の打席内で投手の球を打つこと自ら判断し、意思を発して紅白戦出場を志願した岡本和-。互いの思いがシンクロし、2代目若大将の内面にもさらなる進化が生まれている。【浜本卓也】