阪神と日本ハム、米大リーグで活躍した新庄剛志氏(49)が12日に阪神の沖縄・宜野座キャンプを電撃訪問した。日刊スポーツ独占取材の第2回「人生初キャンプリポート」は、物足りない野手陣の守備について。外野陣の守備力向上にゴールデングラブ賞10度の名手らしいアドバイスを送り、近本には金色のリストバンドを勧めるなど、どこまでも新庄節が全開だった。
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キャンプで気づいたのは野手のフィールディングが甘いってことですね。それはノックでも、紅白戦からもわかりました。チーム失策数がリーグ最多だって? グラウンドで隣にいた亀山さんから教えてもらいました。「やっぱり…」と納得したね。
まずピッチャーが投げる、バッターが打つという流れの中で、外野手の瞬間的な動きがダメよね。みんな膝に手をついて守ってるじゃないですか。あれって違うと思ってるんです。もっとテニスでサーブを待つときのイメージをしてほしいんです。
テニス界の女王、大坂なおみさんのパフォーマンスを見てください。ああいう感じ。まぁ簡単にいえば「遊び」っていうかな。もっと体をユラユラユラ…って、あんな感じで守らないとダメですよ。
おれの時代のキャンプはは高知県の安芸でした。プロに入りたての若い頃、外野からワンバウンドのバックホームをキャッチャーが捕れなかった。速いから。あまりにも送球が速いんで「ワンバウンド禁止令」が出た。
おれが見た紅白戦(12日)でも、内外野の間に落ちた打球があったでしょ。あんなのも捕球できるぐらいのスタートを切る外野手じゃないとダメですよ。
最近センター守ってる選手いるでしょ。近本君だっけ。守ってるときの構えからちょっと違和感あるよね。守備というのは、力を入れすぎてもダメなのよ。人生もそうでしょ? 人の上に立つ人って、そこがうまいんです。新聞記者だって手書きで原稿を書くとき、力が入りすぎるとうまく字を書けないでしょ。守備もそれと一緒なんですよ。
近本君が一流になれるかどうかはわからない。だって、タイガースのキャンプを見てて、だれも赤色のリストバンドするやつっていないんだもん。だからなんか、グラウンドから全体的にオーラを感じないのかな。
近本君のイメージを考えてたんです。ゴールドってどう? 金色のリストバンドをはめて、そこに背番号を入れるって。構えから初動、キャッチ、スローイングまでレベルアップすればもっと輝きますよ。キャンプって楽しいね。
【取材・構成=寺尾博和編集委員】(おわり)
◆新庄剛志(しんじょう・つよし)1972年(昭47)1月28日生まれ、福岡県出身。西日本短大付から89年ドラフト5位で阪神に入団。00年オフFAで渡米し、メッツとジャイアンツに在籍。04年日本ハムに移籍。06年引退。日米通算1524安打、225本塁打、816打点、打率2割5分2厘。右投げ右打ち