ソフトバンク工藤公康監督(57)が19日、開幕投手を石川柊太投手(29)に決めたと公表した。育成出身の8年目右腕にとって初の大役。宮崎キャンプ第5クール2日目を終え、「本人に伝えました。開幕投手は石川君で」と明かした。3月26日の開幕戦はペイペイドームにロッテを迎える。

両ふくらはぎのコンディション不良があるエース千賀はブルペンで立ち投げを再開したばかり。昨秋に右肩を痛めた東浜も昨年末に新型コロナウイルスに感染した影響もあり、マウンドでキャッチボールを数回行っている段階だ。苦しいチーム事情の中、昨季最多勝と最高勝率の2冠に輝き、ここまで順調に調整している石川に白羽の矢が立った。

取材に応じた石川は前日18日の「伝達」のいきさつを明かした。チーム宿舎で伝えられたといい、「部屋に呼ばれていきました。何を言われるのかな、何かやらかしたかな」とそわそわしながら指揮官の部屋を訪れ、指名を受けた。「実感的には湧かないという感じです。開幕投手を常に狙っているというわけではないですが、1日1日をそういう自覚と責任の下で過ごしている。やることは変わりません」とひょうひょうと話した。

昨年の日本シリーズ初先発でも「大舞台も小舞台もない」と臨んでおり、「1試合1試合、常に責任を持って投げているつもり。目の前の試合を全力でやっていきたい」と必要以上に特別視せず、自然体で挑むつもりだ。【山本大地】