日本ハム原田豊2軍監督(62)が、夢の舞台に立った。

20日、沖縄・那覇での巨人との練習試合。対戦相手の原辰徳監督(62)は、東海大時代に三遊間を組んだ盟友だった。ユニホームを着用し、グラウンドで対面したのは40年ぶり。試合前には、原監督から「登れよ」と誘われ、打撃ケージ真後ろに設置された原監督専用の台「原タワー」に並んで座った。約1時間、原監督の父・貢氏の話題など思い出話に花を咲かせた。

変わらない姿が、何よりもうれしかった。大学卒業を機に、別々の道を進んだ。原監督がスター街道を歩んだ一方、原田2軍監督は母校の柳井高の監督を経て、日本ハムのスカウトに就任。2軍総合コーチを経て、今季から2軍監督に就任した。「彼は同期の誇り。いいところは昔のまんま。偉そうにしない、気配りが出来る。本質は変わらない」と懐かしんだ。

巡り合わせに感謝した。この日は1、2軍の混合チームのため、当初は小笠原ヘッド兼打撃コーチが指揮を執る予定だった。球団の粋な計らいもあり、原田2軍監督が指揮を執り、原監督との「同級生対決」が実現。原田2軍監督は「こういう機会をつくってくれたことに感謝。40年ぶりに一緒にグラウンドに立つことが、かなうとは思わなかった」と目尻を下げた。

思い入れあふれる試合は7-3で勝利。監督就任2戦目で初白星が舞い込んだ。試合後には開口一番、「ボコボコにしてやろうと思ったけど(9回に失点し)そんなに甘くないね。本気で勝ちにいったけどサインが出せずに、ただ見ているだけだったよ」と大笑い。前夜から戦略を練り、興奮そのままに、この日を迎えた。「今日は寝られそうにないね。一生の思い出です」。鮮やかによみがえった青春時代の記憶に、また1ページ、「タツノリ」との思い出が加わった。【田中彩友美】