プロ2年目のロッテ福田光輝内野手(23)が、今季のチームスローガン「この1点を、つかみ取る。」を体現した。

4-4の同点で迎えた9回2死一、二塁。DeNA平田にあっさりと2ストライクに追い込まれながら、ファウルで5球粘り、最後はしぶとくレフトへ流した。二塁走者加藤を迎え入れ、決勝適時打に。「後ろにつなぐ気持ちでいきました」と振り返った。

前日は同様の場面で得点できず、試合もサヨナラ負け。チームとして、1日で修正したのは大きい。井口資仁監督(46)は攻撃終了後にベンチで「ナイス、光輝!」と声を響かせた。「しっかり粘ってくれて打ってくれたと思います。その前に走者が出てつないでくれた、というところだと思います」。2死走者なしから決勝点を評価した。

実戦で福田光の粘りが目立つ。去年はオープン戦で3本塁打。右翼への豪快弾が続いた。井口監督も思いきりの良さを評価し、開幕1軍に抜てき。しかし本人が「リーグ戦に入ったらそんなに甘くないと思っていました」と振り返る通り、1軍では23打数2安打。勢いをプロの投手たちにはじき返された。

とりわけ空振りが目立った。26打席に立ち、ファウルボールはわずか8球。1打席あたり0・31球。チーム平均値の半分以下で、相手に楽に投げさせた。年末の契約更改では「来年以降は思い切っていく中でも、しっかり1打席1打席しっかり考えて入っていけたら」と巻き返しを誓っていた。

この日の殊勲打は直球、外からのスライダー、フォークなど、必死に粘ったたまものだ。20日のDeNA戦でも9回2死、フルカウントから高めのつり球にバットが止まり、四球でチャンスを広げた。指揮官も「追い込まれるまでは豪快なスイングでしっかりアプローチして、最後にしっかり粘ってできる。去年から今年への成長じゃないですかね」とレベルアップを認める。

試合前練習では、二塁守備に精を出した。二塁はレギュラーの中村奨が3年連続全試合出場中。逆に言えば、バックアップ要員の台頭も急務といえる。

去年の急降下もある。福田光は地に足をつける。「まだ始まったばかりなので、言えるあれかは分からないですけど…。1打席1打席しっかり食らいついて結果を出せるように頑張っています」と慎重に話した。大阪桐蔭、法大と名門を進み、ハートは強い。1軍に食らいつく。【金子真仁】

ロッテ担当のツイッターはこちら―>

ロッテニュース一覧はこちら―>