<練習試合:阪神1-4DeNA>◇23日◇かりゆしホテルズボールパーク宜野座

阪神取材班がキャンプで興味を持ったテーマ、事象を取り上げる随時企画「推しポイント」。第5回はドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)にスポットを当てる。

魅力は1発を秘めた長打力だけではない。新人らしからぬ風格が見えた1打席だった。初回2死、佐藤輝は、DeNA阪口相手に11球粘り、実戦初の四球を選んだ。「最後ボール投げてくれたんで、簡単に終わらなかったのは良かったと思います」。大きく曲がるカーブは3球全て、ゆっくりと見逃してボール。カウント2-2から外の149キロ直球、続けて138キロフォークもファウルで粘った。内外、緩急で揺さぶられても、フォームも表情も全く崩さない。相対した阪口も「空振りを狙った球をファウルされた。考えさせられるすごい方です」と舌を巻いた。

見逃しストライクとなったのは3球目の外の直球だけ。この日観戦した元中日監督で日刊スポーツ評論家の谷繁元信氏(50)の言葉も、ただならぬルーキーの雰囲気を裏付ける。「トップの位置に入ってから、打ちに行くまでの『間』が長い。だから捕手からすると何を狙っているのか分かりづらい。ルーキーでそういう選手はなかなかいない」。この日は2打数無安打で、7回の守備から初の途中交代。連続試合安打は7戦で止まったが、相手を惑わす立ち姿も佐藤輝の魅力だ。【磯綾乃】

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