中日大野雄大投手(32)が27日、阪神との練習試合(北谷)で21年の初実戦マウンドに上がる。左腕エースが興味を示したのは、阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)だ。「シーズンのために、どんな感じで振ってくるのかを感じながら投げたい」と若虎の情報収集に徹する。

佐藤輝はキャンプ実戦で33打数14安打8打点2本塁打、打率4割2分4厘と新人らしからぬ成績を積み上げる。「スイングも強く、自分のスイングをしている。テレビでも見たけど、広島森下の真っすぐを打ち返していた。いい打者だと思う」と評した。

大型新人との初対戦への意気込みを大野流の言葉で語った。「楽しみじゃない。打たれたら大野から打ったと書かれるし(笑い)。ワクワクもない。シーズンのための材料という意識で投げたい」。昨季、沢村賞、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得した。肩書をルーキーに利用させない意地ものぞかせた。

キャンプは26日で打ち上げ。「1年間戦うことをテーマにした。順調に終えられ、良かった」と充実の笑顔を見せた。中日は昨季8年ぶりにAクラス入りしたが、2位阪神とは1ゲーム差の3位。大野雄は昨季阪神戦で5戦2勝(2完封)2敗、防御率1・51と相性はいい。「順位を自分の力で上げるのが自分の仕事」。竜のエースは、トラの大型新人分析をシーズンの糧にする。【伊東大介】