2試合連続無得点だったソフトバンク打線が、キャンプ地での最後の試合で意地を見せた。オリックスとの練習試合(宮崎アイビー)に若手中心で臨み、12安打10得点で大勝。前日27日のオリックス戦後に「1球、1打席を大事に」と奮起を促した工藤公康監督(57)は「最終日にやっといい形で終わることができて良かった」と笑顔を見せた。

これまでの鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、初回から活気づいた。1番周東の中前打から5番栗原まで5連打で一挙に4点先制。2回も4番上林の適時打などで、3点を追加した。終盤7回には谷川原が2点適時三塁打を放つなど、3点のダメ押し。工藤監督は「今日はベンチの雰囲気も良かったですし、次へ次へというのも言葉で出ていた。ああいうのを忘れないことが何より大事かなと思う1日だった」と満足そうだった。

前日は途中出場で無安打だった増田は2安打をマーク。初のキャンプA組(1軍)抜てきで奮闘してきた21歳は「僕の立場としても、1球を大事にしないといけないと改めて強く思った。皆さんがこういう気持ちを持って入った結果、いい試合ができた」と充実感をにじませた。

チームは試合後に宮崎を離れ、本拠地福岡で2日からオープン戦を戦う。主力の出番も増えて、若手のアピール機会は限られていく。指揮官は「少ないチャンスでしっかり打たないといけない。サバイバルになると思いますけど、そういう中でしっかり頑張ってほしい」と期待を込めた。【山本大地】

▽ソフトバンク津森(7回から2イニングを無安打無失点)「腕が振れたし、自分の持ち味である投げっぷりの良さは出せた。2イニング目の方が打者に対しての感覚が良かった」