阪神藤浪晋太郎投手(26)と高山俊外野手(27)が沖縄・宜野座キャンプ最終日の1日、矢野燿大監督(52)から投打の「キャンプMVP」に選ばれた。

「投手MVP」の藤浪は実戦3試合で計8回1失点と快投を連発し、開幕ローテ入りへばく進中。「総合MVP」の高山は実戦11試合で打率4割2分8厘と打ち続け、外野レギュラー争いを先導中だ。ドラフト1位佐藤輝に注目が集まった今春、元ドラ1の2人も輝きを取り戻した。

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阪神高山は、3年ぶりの開幕スタメン奪取を猛アピールしたキャンプになった。「(MVPは)うれしいですね。去年は目立つことだけを考えてがむしゃらにというところで指名してもらって。今年は自分の中で課題を一つ一つ消化していって、評価してもらえた」。実戦11試合で35打数15安打、打率4割2分9厘、4打点。16年の新人王もここ数年は不完全燃焼が続いていたが、今年にかける意気込みを結果で示した。

右翼争いで1歩抜け出ているが予断は許さない。ルーキー佐藤輝の活躍だけでなく、ベテラン糸井も負けじと結果を残すなど、アピール合戦はオープン戦に持ち越される。今後はサンズら助っ人との勝負も待ち受ける。だが高山本人は冷静だ。「僕の中でまだ競争が始まっている感覚もなくて。今はまだ主力も出ていない中で出してもらっているだけ」と足元を見つめる。

もちろん、首脳陣は高評価だ。矢野監督は「ドラフト1位で入って、最初の年は新人王を取ったけど、そのあとは思うようにいかない苦しい時期があったと思う。そういう中で野球に対して本気になった。その本気をさらに感じるキャンプを過ごしてくれた」と絶賛。井上ヘッドコーチも「(佐藤輝の加入で)アイツも尻に火がついた状態だったところ。とろ火だったのが、引火したというかパッときた印象」とアピールを受け止めた。

だが、高山はオープン戦でも手綱は緩めない。「立場的にも本当に苦しいところにいる。もう本当に自分のやれることをやるしかないですね」。背水の覚悟で挑む21年。開幕スタメン奪取へ突っ走る。【林亮佑】

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