巨人の“巨人”身長2メートルのドラフト5位秋広優人内野手(18=二松学舎大付)が、オープン戦デビューまで手を伸ばした。4日の卒業式前、最後の一戦で本拠地デビューする。「ピッチャーのレベルだったりとか、もう1段階上がってきて、結果を出しづらくなると思いますが、その中でも自分のプレースタイルというのをできるように頑張りたいと思います」とはっきりした口調で宣言した。

わずか3週間で周囲の状況が一変した。宮崎キャンプ中の2月12日に2軍から1軍に昇格。グラウンドで頭1つ飛び抜ける高卒ルーキーが大抜てきされた。実戦10試合で31打数10安打、打率3割2分3厘でアピールを続け、最年少の最長身ルーキーが1軍のままキャンプを完走した。

2日の東京ドームでの全体練習では本拠地となる“夢舞台”を満喫した。中学3年時に出場したジャイアンツカップ以来の東京ドームのグラウンドをうれしそうにかみしめた。「思ったより軟らかいというか、新感覚。中学のときに試合をやっていて。そのときとはまた違う、ユニホームだったりも違いますし、一緒にやっている人たちも違う。また違う緊張感」と話した。

約10年前の記憶もぼんやりとよみがえってきた。小学生の低学年のころだった。プロ野球観戦に訪れた東京ドームで胸が踊った。一塁側内野スタンド、右翼席でプロ野球選手のプレーにくぎ付けになった。「小学生低学年とかなんであんまり鮮明には覚えてないんですけど、亀井さんだったり、(坂本)勇人さんだったりは試合出てたんで、そういう人たちと実際にプレーできるというのはすごい新鮮だな」と目を輝かせた。

開幕までのオープン戦は全14試合。4日のヤクルト戦は二松学舎大付の卒業式に出席するため欠場が決まっており、秋広にとっては最大13試合の“サバイバルレース”が始まる。無観客のキャンプを駆け抜けた注目の超大型ルーキーが、ついにファンの前に初登場する。【為田聡史】