日本ハム上沢直之投手(27)が約3週間後の開幕戦に向けてオプションを増やした。

普段はプレートの真ん中から投げるが、この日は「投げてみようかな」と初めて一塁側に軸足を置いた。2月28日の投球練習で試していた。「違った景色で投げてみたら、どうなるのかという興味本位。試合で打者がどういう反応をするのか見たかった」と思い切って試した。

収穫があった。左打者への内角直球は「今までより角度がきつくないので、いい感じに投げられる」と手応え。シュートやチェンジアップも右打者の内角方向へ大きな曲がり幅を見せた。一方で、リリース時の力加減が変わる影響か、親指の爪が薬指にささって3回途中で出血。そのアクシデントも「こういう状況もあるので、いい練習になった」と変化球の割合を増やして対応。5回を75球、4安打無失点にまとめた。

プレートの位置は「悩みますね」と選択肢として残し、開幕までに熟考する。さらに新球シンカーも1球、初回の森への4球目に試した。145キロを計測したボールは「ほぼシュートになっちゃった」と落差が出ずに苦笑いも、課題を得たことが収穫。ここまで実戦3試合で11回連続無失点で「どこかで点を取られたい。あんまり無失点が続くのは不気味です」。笑みを浮かべながら話す表情は、順調ぶりを示していた。