巨人菅野智之投手(31)が、4年連続7度目の開幕投手に内定後、初の実戦マウンドに上がる。今季は実戦2試合目で、2月27日の広島戦では2回2安打無失点と盤石の投球を披露した。26日のDeNAとの開幕戦の舞台でもある本拠地で、22日後に控える本番に向けた意味のある登板にするのは間違いないだろう。

絶対的なエースとはいえ、日本一奪還までの長いペナントレースを獅子奮迅で乗り切ることはできない。開幕2戦目に内定している戸郷翔征投手(20)も順調に調整を続けているのは好材料だが、もう1人、待ちわびる右腕がいた。昨季8勝のエンジェル・サンチェス投手(31)だった。

新型コロナの影響が心配されていた。来日は1月21日。2週間の自主隔離期間を過ごしてからS班に合流し、2月23日の那覇キャンプでは1カ所打撃に登板し、調整遅れの不安を一掃。「1日1歩ずつ前に進んで、開幕に向けて仕上げていきたい」と、はやる気持ちをコントロールしている様子をのぞかせた。1歩ずつ着実に歩んできた成果は、3日のヤクルトとのオープン戦での2回無失点という好結果で証明した。試合後、原監督は「智之(菅野)と同じくらい競って欲しいね。3人で、戸郷と。その3人でどこかにライバル心を持っていてほしいね」と、開幕ローテーション入りが確実な助っ人右腕への期待感をあらためて示した。

サンチェスからバトンを受け、この日は「3本柱」の中でも「大黒柱」の菅野が先発する。絶対的エースがまたもや圧倒的な投球を披露し、その姿にさらに刺激を受けた戸郷、サンチェスが次の登板で負けじと力を発揮しあい、そこに井納や今村ら第4の矢、第5の矢が続いていく-。3本柱を中心とした好循環が起こり続けていくことが、9年ぶり日本一への近道となる。【浜本卓也】