巨人菅野智之投手(31)の無双投球の根拠が帯状に浮かび上がった。開幕投手決定後初先発した4日のヤクルト戦(東京ドーム)で、従来よりカーブの割合を増やした新たな投球術を披露。同じ本格派右腕の楽天田中将大投手、日本ハム上沢直之投手、西武高橋光成投手、オリックス山本由伸投手の「球速帯」とも比較し、開幕前の試運転ながら、スピード差「24キロ」を操った菅野の新スタイルを「深掘り。」する。

   ◇   ◇   ◇

オリックス山本の球速帯 5日のDeNA戦で今季初めてオープン戦に登板し、5回3失点。最大33キロという大きな緩急差を使い、常に主導権を持って投球した。130キロ台が皆無という極端さで、球速にメリハリをつけた。140キロ台中盤のフォークボールと150キロ前後のカットボールが特にやっかい。3回、牧を見逃し三振に仕留めた149キロのカットボールが象徴的で、ピンポイントの外角低めに全く反応できなかった。

◆侍ジャパンの先発構想 先発陣の手駒は豊富だ。変則トーナメントで最多8試合を戦う中で、先発は5枚の構想となりそう。田中将、菅野、千賀は力量、実績、国際経験ともに申し分なし。昨季沢村賞の大野雄も左腕の中では一格上だ。山本も匹敵する力を持つが、プレミア12ではセットアッパーを務め、大会序盤は戦況の推移を見ながらブルペン待機する可能性もある。今永は左肘手術からの復調がカギ。則本昂、岸も招集経験があり、計算できる。昨季新人王の森下は未招集だが、質は高く、構想に食い込んできそうだ。