二塁を守るロッテ平沢大河内野手(23)が「オーライ!」と大きく叫び、ケアに近寄ってくる周囲を制した。一塁山口は瞬時に足を止めた。3回2死二塁。風に流される西武山川の高いフライを、平沢は確実につかんだ。

勝手知ったる本拠地ZOZOマリンだ。山川対策の大胆シフト。二塁ベースの後方、やや遊撃寄りを守ったが慌てない。定位置に進みながら、フライが最高点を越えてから声を出した。5回には同じ場所から二塁カバーに入って二盗阻止。ほぼ正面からの捕手田村の送球をベース真後ろでつかみ、そのまま走者にタッチ。さすがのセンスを示した。

昨年10月に右肘を手術。順調に完全回復に向かってはいるが、まだ全力で投げる数は制限されている。それでも井口監督が「今どういう状況なのかを把握したい」とオープン戦で1軍に合流。6日、7日と二塁で途中出場した。

藤岡がレギュラーで1年間を過ごし、今年はそこに新外国人エチェバリアも加わる。ドラフト3位小川も存在感を示し、遊撃争いは白熱する。「後れを取っていますし、藤岡さんも(小川)龍成もいるので何とか出たところでアピールできるように」。立場は十分に自覚する。

6日は空振り三振。7日も遊飛に空振り三振と倒れた。何とか持ち前の打撃を見せたい、9回2死一、二塁。西武伊藤の3球目をしっかりセンターにはじき返した。強い打球を中堅手若林がはじいて、二者が生還。「みんなが打席を回してくれた。何とかチャンスで1本打ちたいと思っていました」と振り返った。

後輩ドラフト1位の安田が4番を打ち続けた。藤原は大きく羽ばたく予感を高める。昨季は同い年の大卒ルーキーも活躍した。「悔しい部分はあります。負けてられないのはありますね」。将来の遊撃レギュラーと期待されるも、1軍に定着できぬまま6年目を迎えた。ひときわ大きいスタンドの拍手に、何とか応えたい。【金子真仁】